2009年6月4日木曜日

軍艦島

2009.6.2

 先日、五島福江から長崎へ飛ぶ機内から軍艦島を発見。
 以前から軍艦島の存在は気になっていた。端島というのが正式名称だが、島の形が軍艦に似ているところから、通称軍艦島。かつて海底炭鉱として栄えた島で、明治23年以降は三菱が所有し、日本の近代化を支えてきた。昭和35年には、人口密度が世界一に達したというからすごい。島内には炭鉱施設や住宅のほか、小、中学校、店舗、病院、寺、映画館、理容、美容院、パチンコ店、雀荘、スナックなどがあり、一大都市機能を有していた。中でも大正5年に建てられた鉱員の社宅、30号棟は日本初の鉄筋コンクリート造りの高層アパートとして知られる。しかし、主なエネルギーが石炭から石油へと移行し、昭和49年に閉山。その後、無人島になってしまった。人のいなくなった建物は、しだいに老朽、崩壊し、廃墟と化す。そして、島内への立ち入りも禁止された。
 ところが、昨今の廃墟ブームからマニアなカメラマンや心霊スポット探しの連中が密航し、お忍びで侵入。ネット上にも様々な写真が公開されている。数年前、わたしはそれを見て、強く心を惹かれた。一度行ってみたい、と。怖いもの見たさというより、ここに住んでいた人たちの温もりが、無数の瓦礫や残骸の中に残っているように思えたから。
 現在の所有者である長崎市は、建物の危険箇所の一部を修復、整備し、この4月から上陸を解禁した。一般に見学ができるようになったのだ。実に35年ぶり。テレビのコマーシャルでもご存知の通り、世界遺産の候補にまで挙がっている。
 こうなれば、なんとしてでも行ってみたい。旅行社が組んだツアーもあるが、天候に左右され、安全基準をクリアする日数は、年に100日くらいしかないという。それを目的にわざわざ長崎まで行って、島へ渡れなかったら意味がない。長崎方面の仕事があれば、ひとり居残って行ってみようか。
 軍艦島で廃墟落語会を……???