2009年7月17日金曜日

川の流れの酔うに

2009.7.16

 昼間は協会会議室にて「八天の噺の研鑽会」。14時から竹丸くんの『算段の平兵衛』、15時から扇平くんの『高津の富』、16時から市楼くんの『饅頭こわい』、17時から八斗くんの『子ほめ』の稽古をみる。
 18時半、長堀橋へ急いだ。辻調・田中浩文氏と9か月ぶりに出会う。今宵、グルメットにお連れいただいたのは、島之内「懐食 清水」。昨年、リニューアルしたばかりという店内は、なかなか洒落たデザインで、心休まる空間に仕上がっている。カウンターの分厚いヒバ一枚板は、中のまな板と同じものだ。その横の炭床では、別の客に出す魚を、串に刺して焼いているところ。香ばしいにおいが立ちこめる。
 まずはビールで乾杯。お料理のほうは、先付けが、蛸と鱧の冷製ジュレ。上に蛸の子がのっている。
 やはり日本料理はお酒。東北泉、磯自慢、獺祭、天青、緑川、磯自慢の順でいただいた。
 八寸は4種。トマトのワイン煮、うにと岩茸をあわせたたものが、それぞれほおずきの中に入っていて可愛い。ほかに、蛤と蓮根グリーンマスタード和え、バチコのせ。じゅんさいとうずらの温泉卵と海藻そうめん。
 お造りは、鱧の刺身と、白身はベラという魚。
 椀のものには、アブラメに葛粉をうって火を通したもの、冬瓜、白キクラゲが入っていて、これまた酒の進むこと。
 揚げ物は穴子とグリーンアスパラの天ぷら梅肉添え。焼き物はアワビとアワビの肝。下には青いものが敷いてあった。毛ガニのほぐしたものが入った釜飯は最高にうまい。
 デザートは、ココナッツのシャーベットと巨峰のゼリー。
 いつもの遅い時間からのせわしい打ち上げではなく、こうしたゆったりとした時間が一番いい。
 ご主人は若干、38歳。実家が魚屋で、店はご夫婦でやってらっしゃる。開店して9年目。魚は毎朝、中央市場から仕入れ、料理は独学で始めたというからスゴい。この創作力はハンパじゃない。都島の「うずら屋」とも交流があるらしい。いい店は、やはりいいコネクションを持っている。
 22時半、田中氏とは、秋に再会することを約束して別れた。いやあ、今日も勉強をさせていただいた。