2009年7月23日木曜日

ゾクッとして、ホロッとして

2009.7.18

 ひかり、こだま、東海道本線と乗り継いで、藤枝に到着したのは10時。7ヶ月ぶりに「蕎麦酒かわかつ」の暖簾をくぐった。店長やおとうさん、おかあさんのにこやかな笑顔に迎えられ、また今回も張り切ってやりましょうと元気に挨拶。
 舞台設営をしているうちに、早々とお客さんがお見えになった。控えに使わせてもらう2階の倉庫には冷房がない。わあ、強烈に暑い。「フ〜ッ、となる前に、冷蔵庫に入ってください」。零度の空間は、まるで冷凍サウナ。暑いわーい、冷たいわーい、おなじみ『船弁慶』の焼き豆腐になりそうだ。
 さて、3年目で第5回を迎える当席の、まずは昼の部のはじまり、はじまり〜。

第5回「かわかつ八天寄席」初日昼の部(11時半開演)

『皿屋敷』    月亭 八天
      仲入り
『ぬけ雀』    月亭 八天

 お客さまからの依頼で、今回は怪談噺と人情噺のご注文を受けた。ただし、大阪の落語には本格怪談噺も人情噺もほとんど存在しない。江戸文化と上方文化、江戸っ子と浪花っ子の気質の違いから、そうなったことをお伝えし、まあ、怪談がかったもの、人情めいたもので、「ゾクッ!」と「ホロッ!」を聴いていただくことにした。
 終演後、お昼の弁当をいただき、そのあと高座で稽古。あれれ……。いつのまにやら座布団の上でコックリコックリ。どうも睡魔が襲って来たようだ。冷たい水で顔を洗って、気を引き締めてかかろう。

第5回「かわかつ八天寄席」初日夜の部(17時半開演)

『御神酒徳利』  月亭 八天
      仲入り
『足あがり』   月亭 八天

 終演後は、例によって、みなさんと美酒美食を楽しむ時間。萩錦の酒蔵から「本醸造南アルプス」、大井川茶園から「開運」を差し入れにいただいた、それに加えてハウスワイン「杉錦」。どれもこれもうまいのなんの、かわかつのお料理によく合うこと。
 二次会は、駅東側「DE愛」という店でカラオケパーティー。相変わらず、にぎやかな面々が集う。半年に一度しか会わないのに、十数年来の付き合いのような気がする。不思議な縁、不思議な出会い。これぞまさしく生きている醍醐味。ありがたや、ありがたや。
 明日は夜に貸切公演がある。