昨夜は夕食を済ませると、コテっと寝込んでしまった。朝が早かったし、カラダも相当疲れていた。今朝は8時起き。布団の上にムクッと起き上がると、おもむろに稽古を始めた。 食べ終わると、ドワッと汗が吹き出してきた。駅構内のコンビニに入って、チョコを買おうとした途端、ホームに電車が入ってきた。あわてて飛び乗る。ハンドタオルを取り出して、額の汗を拭う。おや、なんだか身軽だ。あっ、チラシの入ったバッグがない。そうだ、そば屋の棚に置き忘れてきた。うわわわぁ。目の前で扉がピシャッと閉まった。今度は冷や汗がビャビャビャ〜。これ、急行だから、豊中まで停まらない。引き返すまでに、そこにあるだろうか。だいいち、開場時間に間に合わないかも。暑さでボウッとなった頭の中を、いろんな想いが交錯する。そのとき、コンビニから三味線の大川さんが出てきたのが見えた。窓越しに大きな声で叫ぶこともできず、列車の連結部に走って、即電話。 「いま、十三の駅に居てはるでしょ。ちょっとお願いしたいことがありまして……」 相手は、とりとめのないわたしの言葉に、なにが起こったのかとたじろいでいる様子。しばらくしてから、ようやく状況を把握していただいたとみえ、 「では、取ってきたら、そちらへ持っていきます」 「すみません。なら、向こうの駅で待ってます」 とは言うものの、急行は岡町に停まらない。結局、大川さんのほうが先に会場入り、わたしは遅れて到着した。なにやってんだろう。 豊中市立伝統芸能館、ここには何年ぶりに訪れるのか。少なくとも5年以上になる。大川さんからチラシのバッグを受け取った。4種500枚ほどの束、さぞかし重かっただろうに。それを受付へ持っていく。おかげで間に合った。楽屋でくつろいでいると、大川さんが入ってきた。 「あの、わたしのラガールカード知りませんか?」 「エッ」 「さっきのバッグの中に入っていませんでした?」 「……」 今日はよくモノが紛失する日だ。 開演直後に銅鑼がないことも発覚。二乗くんの『七度狐』は銅鑼なしヴァージョンになってしまった。iPhoneアプリで「除夜の鐘」をダウンロードしたが間に合わず。こうなれば、『お神酒徳利』の熊五郎先生にソロバン占いしてもらうしかない。
岡町落語ランド(14時開演)
『七度狐』 桂 二乗 『八五郎坊主』 桂 雀五郎 『船弁慶』 桂 しん吉 仲入り 『青菜』 桂 まん我 『お神酒徳利』 月亭 八天
三味線:大川 貴子
心持ち早く家を出る。快晴、好天、メッチャ暑い。地下鉄から阪急に乗り換える。お腹が空いた。朝からグラノーラだけしか食べていない。
十三駅で途中下車。関西立ち食いそば1号店として有名な「阪急そば」に入ると、いつもの如く、かけそばといなりを注文した。ここは牛丼やカレー丼、かやく御飯もあるが、あえていなりを選んだ理由は、あとで『お神酒徳利』をするからだ。稲荷がコンコン。